第42回 日本脳神経外傷学会

会長挨拶

甲村 英二

第42回日本脳神経外傷学会

会長 甲村 英二

(神戸大学大学院医学研究科脳神経外科学分野)

このたび、第42回日本脳神経外傷学会を2019年3月8日(金)、9日(土)の2日間、兵庫県立淡路夢舞台国際会議場において開催させていただく運びとなりました。歴史的に神経外傷手術は、脳神経外科手術の中でも基本的なものであり、脳神経外科学のなかで重要な分野を占めています。日本神経外傷学会は、1968年に神経外傷の病態解明、予防、治療のために設立された脳・神経外傷研究会に端を発し、日本神経外傷研究会を経て2010年に一般社団法人となっています。年次集会も数を重ね、この第42回学術集会を担当させていただくことは、神戸大学脳神経外科にとって誠に光栄なことです。

本会の主題は、「脳神経外傷の病態と治療アップデート」としております。ちょうど2019年は、重症頭部外傷治療・管理のガイドライン改訂第4版発刊の年であり、また頭部外傷データバンクプロジェクト2015の解析結果もまとまることになっています。そこで、この2つについて概略をつかんでいただけるように特別企画を予定します。神経外傷をめぐって近年では社会の注目も集める様々な問題が山積しています。スポーツ頭部外傷、外傷後高次脳機能障害、高齢者の頭部外傷、小児虐待による頭部外傷、低髄液圧症候群などについて、病態解明、治療など幅広い領域にわたってシンポジウム、セミナー、演題発表の機会を設けます。さらに、損傷後の神経再生に向けた研究について特別講演を企画します。

会場の淡路夢舞台国際会議場は、海の青、山の緑、四季折々の花々に囲まれた静かな環境で、ホテルも隣接しておりますので心おきなく十分な討議をしていただけるものと期待しております。また、淡路島は温暖の地であり春の訪れも早く、観光や地元の食材も満喫いただけることと思います。本会では、脳神経外傷をめぐる様々な病態について最新の知識を整理し日々の診療につなげることを企図していますので、多数の演題のご応募、学会へのご参加をお待ちしております。